新人間革命(人間革命)

新人間革命 第1巻のあらすじ(各章要旨)及び感想文

「新・人間革命」第1巻の始まりには特別の意味があります。著者である池田大作先生がいかなる思いで本著執筆を開始されたのか?そこが重要です。

本著第一巻の「はじめに」において、池田先生が執筆に至った理由に、①恩師亡き後の広布拡大こそが恩師の偉大さの証明になる、②恩師の精神を未来永遠に伝えゆく為に後継の『弟子の道』を書き残さんが為、という2点を挙げています。この心を胸に拝読して行きたいと思います。

また、第1巻は、南北アメリカという海外での広布拡大・人材育成に池田先生がどのように取り組まれたかが述べられています。その国の時代背景や文化、そしてそこに生活する人々の状況を十分に考慮された上、あっと驚く「手」を打って行かれます。しかし、その一手・一手の底流をなすものは「一人の人を大切に」という精神でした。

旭日の章・あらすじ

1960(昭和35)年10月2日、伸一は、「君の本当の舞台は世界だよ」との師の遺訓を胸に、北南米へ出発。
平和旅の第一歩は、太平洋戦争の火蓋(ひぶた)が切られたハワイの地にしるされた。伸一は渾身(こんしん)の指導を重ねながら仏法を世界宗教として開くための構想を練る。

旭日の章の感想

「小説・人間革命」の最初の章は「黎明」ですが、「新人間革命」の最初の章は「旭日」です。黎明とは夜明けのことであり、旭日とは黎明の後に日が昇ることです。戸田先生のお心にあった黎明が弟子に受け継がれ、「旭日」の勢いで世界広宣流布に広がっていきました。

新世界の章・あらすじ

第2の訪問地サンフランシスコは日本の講和条約と日米安全保障条約の調印の地。伸一は、その地で、世界の冷戦と新安保条約をめぐり混乱する国会に思いをはせる。
サンフランシスコ、ネバダに地区を結成し、やがてアメリカの同志の誓いとなる3指針を提案する。

新世界の章の感想

「人材がいない」と嘆く同行の幹部に対し、「みんな人材です。これから光ってゆきます。純粋に信心を全うしていけば、みんな広布の歴史に名を残すパイオニアの人たちです」と伸一は語ります。広宣流布の人材とは、用意されたものではなく、全ての人が「ダイヤモンドの原石」であって、その一人一人を「見つけ」「磨き」「育てる」ことであるとされています。幹部率先の姿の基本かと思いました。

錦秋の章・あらすじ

平和旅の舞台はシアトル、シカゴ、トロントへ。シカゴで伸一は、同行の幹部たちにアメリカ総支部の構想、インド、ヨーロッパ訪問の計画を語る。またリンカーン・パークで遊びの輪に入れてもらえない黒人少年を目にし、人種差別の現実に心を痛める。

錦秋の章の感想

ホテルの廊下に座り込み、伸一の帰りを待っていた身なりも立派ではない婦人たちを「仏」と捉える全力の激励。外見や立場などで人を判断せず、信心していない人とも一つ一つの出会いに心を注ぐ伸一。広宣流布のための行動のなんたるかを示されていると思いました。

以下、2章については、あらすじのみとなります。

慈光の章・あらすじ

伸一は、体調が悪化するなか、ニューヨークの友を激励する。苦悩するメンバーの質問に答えながら、信仰の基本、大聖人の仏法の本義を優しく語る。
さらに「『世界の良心』『世界の良識』といわれるような新聞にしたい」と聖教新聞の精神を語る。

開拓者の章・あらすじ

ニューヨークからサンパウロへ。ブラジルの座談会では、日系移民の過酷な生活状況が語られるが、伸一は信心を根本に希望の光を送る。そして支部結成の発表が、歓喜の渦を巻き起こす。最終目的地のロサンゼルスで支部を結成し一行は帰国の途につく。

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