任用試験の教学入門と仏法の研鑽

一生成仏抄:任用試験 2016 拝読御書

2016年 任用試験の拝読御書「一生成仏抄(いっしょうじょうぶつしょう」について、任用試験受験者向けに、要点の解説しています。文末に練習問題があります。

出来れば声を出して何回も拝読してから解説に進むと効果的です。

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一生成仏抄 の本文

『衆生と云うも仏と云うも亦此くの如し迷う時は衆生と名け悟る時をば仏と名けたり、譬えば闇鏡も磨きぬれば玉と見ゆるが如し、只今も一念無明の迷心は磨かざる鏡なり是を磨かば必ず法性真如の明鏡と成るべし、深く信心を発して日夜朝暮に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを是をみがくとは云うなり(一生成仏抄:御書全集 384ページ2行目~5行目)』

一生成仏抄 の通解

衆生といっても仏といっても、また同様であって、二つにへだてがあるわけではない。迷っている時には衆生と名づけ、覚った時には仏と名づけるのである。たとえば、曇っていて、ものを映さない鏡も、磨けば玉のように見えるようなものである。今の我々凡夫の無明という根本の迷いにおおわれた命は、磨かない鏡のようなものである。これを磨くならば、必ず真実の覚りの智慧の明鏡となるのである。深く信心を奮い起こして、日夜、朝夕に、また、怠ることなく自身の命を磨くべきである。では、どのようにして磨いたらよいのであろうか。ただ、南無妙法蓮華経と唱えること、これが磨くということなのである。

一生成仏抄 の要点解説

任用試験に特化した、一生成仏抄のポイント解説です。

背景など

一生成仏抄は、建長7年(1255年)に著されて、富木常忍(ときじょうにん)に与えられたとされるお手紙です。

題号にある「一生成仏」とは何か。それは、「凡夫(ぼんぷ:普通の人)が一生のうちに成仏すること」です。拝読御書では、この一生成仏のための肝心かなめである「唱題行」について、その法理と実践を明確にされています。

要点(ポイント)

南無妙法蓮華経の「唱題行」こそが、「迷い」の生命を「覚り」の生命に転換していく変革のかなめです。

「磨かざる鏡」とは、無明という根本の迷いにおおわれた苦悩する生命のたとえです。「明鏡」とは、真実の覚りの生命のたとえです。題目を唱え切っていけば、無明を打ち払って、智慧が光る仏の生命を開いていくことができるのです。

生命を練磨しゆく「唱題行」の実践には、「深く信心を発して」と「日夜朝暮にまた懈らず」の2つが側面があります。

無明と戦うために、深い信心を起こす「勇敢な心」、そしてたゆむことのない「持続の信心」が大切であると、大聖人は仰せになっています。

練習問題

◆ 一生成仏抄は誰に与えられた御書ですか?

◆ 下記の御文の、①、②、③に入ることばは何ですか?

『深く[ ① ]を発して[ ② ]に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只[ ③ ]と唱へたてまつるを是をみがくとは云うなり』

以上。