御書

法華経の功徳はほむればいよいよ功徳まさる(5月度座談会御書講義 妙密上人御消息)

法華経の功徳はほむればいよいよ功徳まさる、とはどういうことでしょうか?それはーー

 

「ほむれば」とは、つまり、末法の法華経(日蓮大聖人の仏法)の素晴らしさを賛嘆しゆく事と共に、法華経の行者、つまり、日蓮大聖人の仏法を語り・弘め行く同志を心からねぎらい褒めたたえていくということです。

 

2024年5月度の座談会御書「妙密上人御消息」の拝読範囲の講義を通じ、この点について言及させていただきました。

2024年5月度の座談会御書「妙密上人御消息」の背景と大意及び本文と通解

冒頭、貴重なお時間を拝借し、5月度の座談会御書「妙密上人御消息」から、信心の姿勢を紹介させて頂きますとの言葉でスタートしました。

背景と大意【大百蓮華2024年5月号44・45頁参照にて以下要約

本抄は、建治2年、(1276年)閏3月5日、日蓮大聖人が55歳の時に、身延で著され、妙密上人という門下に送られたお手紙です。

妙密上人が誰なのかの詳細はわかっていませんが、夫妻で信心に励んでいた信心強盛な門下であったとされています。

御書の内容は、差し上げたご供養に対する御礼から始まる種々のご指導ですが、今回の拝読範囲では特に、法華経を賛嘆する功徳について述べられています。

拝読範囲本文(音読)と通解【大百蓮華2024年5月号46頁参照】 

金はやけばいよいよ色まさり、剣はとげばいよいよ利くなる。法華経の功徳は、ほむればいよいよ功徳まさる。二十八品は正しきことはわずかなり、讃むる言こそ多く候えと思しめすべし。(御書新版:1713頁1行目から2行目|御書全集:1241頁18行目から1242頁2行目)

通解

金は焼けばいよいよ色が良くなり、剣は研げばいよいよ良く切れるようになる。(同じように)法華経の功徳をたたえれば、ますます功徳は勝っていく。(法華経)28品は、法理の真髄を説くところは、わずかであるが、たたえる言葉こそ多くあることを、心得ていきなさい。

法華経の功徳はほむればいよいよ功徳まさる(5月度座談会御書講義 妙密上人御消息)について

以下、妙密上人御消息の拝読範囲の講義となります。

 

今回の拝読部分で日蓮大聖人は、法華経28品で説かれる真髄は、まず、南無妙法蓮華経の素晴らしさをひたすら褒めたたえること。そして、これほど素晴らしい信心なので、やって行きましょうと説くことであるとされて、そこにこそ、無量(むりょう:計りしれない)の功徳があると言われています。

 

そして、この事について池田先生は【大百蓮華5月号49頁の上段以下】で、次のように言われています。要約するとーー

 

真心を尽くしに尽くした御供養よりも、法華経の行者を讃える功徳は無料無辺である。広宣流布に戦う同志を褒めたたえねぎらっていく「心と言動」にこそ、御本尊の功徳と福徳は増していくーー

さらにーー

友人・知人に仏法を語って行くと共に、とにかく同志は仲良く朗らかに、そこにこそ、幸福勝利の門が開かれ、真の世界広布の前進がある。

と言われています。

末法の法華経の素晴らしさを賛嘆しゆく事と法華経の行者をたたえる事

仏法をたたえ人に語っていく事と、その同志をほめ讃えること。ここに真実の信心の姿勢がある、ということです。

 

実際のところ、輝く金の精錬も、切れる刀を研ぐ事も大変な修練と努力が必要です。

これと同じく、否、それ以上に、友人・知人に仏法を語って行くことは、時に、大変なことではないでしょうか。

 

むしろ、同志の方々を褒める方が簡単・・、というのは間違いで、【心からの賛嘆】が出来ないと意味はありません。逆に、心の底から賛嘆できる生命(いのち)なら、仏法対話にも勇んで臨めるのではないでしょうか。

 

では、どうしたら、同志の方々を心から賛嘆出来る自分になれるのか?

 

悩んでいたところ、池田先生が『希望対話』で、「友情について」次のように言われていることを知りました。

「相手が自分のことを思ってくれる」から友情なのではない。「自分が相手を思う」からこそ友情なのですーー。また、

友人というのは、あなたを映す「鏡」です。あなたが声をかければ、相手から声が返ってくる。そのときは、すぐに仲良くなれなくても、あなたの誠実さが、相手の命に、鏡のように映るのです。

--と。実に簡単明瞭かつ、深いお言葉でした。

 

人間であれば苦手な相手は必ずいます。

しかし、仏法で説くところ、苦手と感じるそれは、自分自身の生命が鏡に映ったものでもあるのです。なので、その自身の生命に悩み、それを御本尊に祈り切っていく。

 

そこにこそ、同志を心から讃えられる生命が生まれ、仏法対話にも勇んで臨める勇気が湧いて来るのではないでしょうか。そうでなければ友だちなど一人も出来ず、従って、広宣流布の前進もありません。

こんな考えに至った次第です。

 

希望対話での先生の文言の一つ一つに感じる思い遣りと暖かなお心。これに触れた時、皆が、創価学会に入会したくなる。そう思えてなりませんでした。

 

以上、ご来場の皆さまと、座談会の成功に尽力下さった全ての方々に感謝申し上げ、終了とさせて頂きます。との結びのことばで終了。