任用試験の教学入門と仏法の研鑽

凡夫成仏と即身成仏 任用試験の教学入門

法華経には、凡夫(ぼんぷ)の身に本来、仏の境涯が具わっていて、これを開き顕すことができると明かされています。凡夫とは、普通の人間のことで、その身に偉大な仏の境涯を開いていけるのです。

凡夫の身に仏という最高の人間性を開き顕すことが大聖人の成仏観です(凡夫成仏)。

実に成仏とは、人間(凡夫の身)に具わる本来の仏の境地を表すことで、これを「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」と言います。

★以上は非常に高い確率で出題が予想されます★

▲任用試験の「凡夫成仏と即身成仏」は以上を覚えれば合格!▲

法華経以外の諸経では、「成仏」が説かれていても、二乗(声聞・縁覚)と悪人と女人は成仏できないとされています。成仏するには善人や男性に生まれ変わる必要があります。さらに、成仏するには、何度も生死(生まれては死に)を繰り返して仏道修行を行って凡夫の境涯を脱する必要があると説かれています。

これに対して、法華経では、『成仏とは「仏という特別な存在になる」ことではなく、自身のその身に「仏界の生命境涯を開く」ことである』と説いたのです。

日蓮大聖人は、あらゆる仏を仏たらしめている根源の法そのものを、南無妙法蓮華経であると明かされ、根源の法を一体となった大聖人御自身の御生命を、南無妙法蓮華経の御本尊として顕されました。

これにより、この御本尊を信受することで、誰もが自らの生命に仏界を開き顕すことが可能となったのです。

「我らこの本尊を信受し、南無妙法蓮華経と唱え奉れば、我が身即ち一念三千の本尊、蓮祖聖人なり(日寛上人文段集より)」

凡夫の身のままで成仏できるという即身成仏の法理は、一生のうちに成仏できるという、「一生成仏(いっしょうじょうぶつ)」と同じ法理です。