平成25年(2013年)3月度の座談会御書は『転重軽受法門』です。題号にある仏法用語の転重軽受(てんじゅうきょうじゅ)とは、「重きを転じて軽く受く」と読み、未来にまで続く重い宿業の報いを、今世に法華経ゆえの苦難(法華経を広めよう・広宣流布しようとして起こる難)に遭うことで、軽く受けて消滅させることです。
御書講義担当者の転重軽受
座談会御書の講義は限られた時間との戦いです。、これが押してしまうと担当幹部の話の時間を狭めてしまいまずいことに。実際の話、我が地区の座談会では、皆さんのお話やDVDの上映で時間を取られ、御書講義の時間が5分あれば良いといった状態です。なので、むやみに時間を取った覚えは無いのですが、「時間を取りすぎ・・」と指摘を受け、先月の御書講義では、あらかじめできるだけわかり易い資料を用意して配布し、講義の時間を短くしました。ところが、「そこまでする必要はない」との更なる指摘が・・・。
御書を軽視することは人本尊の軽視に通じるとの指導を受けたことがあり、おそらくは殆どの方々が御書に触れる機会の少ない中、座談会での御書の時間は、御書に触れる絶好の場と思ってのこと。頂いたご指摘も、私が大変と思ってのことで、自身にあっては、断じて怨嫉があってはなりません。その上で、今後いかがすべきか悩んでおります。この悩みも乗り越えれば『転重軽受』となるのでありましょうか。
今回の転重軽受法門の講義
そこで今回の御書、転重軽受法門の講義は、皆さんで拝読範囲を音読のあと、以下の主旨の話をして終了することにしました。
過去世の重い罪業による地獄のような苦しみの境涯も、妙法を弘めようとして遭遇する難を乗り越えることで、その罪業を消滅させて宿命転換することができる。罪業をなくしてゼロにするだけでなく、仏界の境涯を開き、プラスの人生を歩んでいけるようになる。このことを説いたのが転重軽受という法門。我が身には、本来、いかなる苦難にも壊されない宝塔の生命が秘められていることを改めて確認したい。その上で、同志と共に師匠と共に励ましあって広宣流布の道を力強く前進して行きたい。
転重軽受法門の本文
『涅槃経に転重軽受と申す法門あり、先業の重き今生につきずして未来に地獄の苦を受くべきが今生にかかる重苦に値い候へば地獄の苦みぱつときへて死に候へば人天・三乗・一乗の益をうる事の候(御書全集1000ページ・3行目~4行目より引用)』
転重軽受法門の通解
涅槃経に転重軽受という法門がある。宿業が重く、今のこの一生に尽きないで、未来世に地獄の苦しみを受けなければならないところが、今のこの一生でこのような重い苦しみにあったので、地獄の苦しみがぱっと消えて、死んだら、人・天や声聞・縁覚・菩薩の三乗、一仏乗の利益を得ることがあるのである。
拝読範囲の主要な仏法用語
《三乗(さんじょう) 》とは、声聞乗・縁覚乗・菩薩乗のこと。それぞれ声聞・縁覚・菩薩の覚りを得るための教え。ここでは得られた声聞・縁覚・菩薩の境地。《一乗(いちじょう)》 とは、一仏乗のこと。成仏への唯一の教えのこと。ここでは得られた仏の境地。