末法の法華経の行者とは。以下、青年教学3級試験(初級試験)の出題範囲である末法の法華経の行者について要点をまとめています。また、文末には、関連する練習問題と解答を掲載しています。
釈尊滅後、なかんずく悪世末法において、法華経を信じ、行じ、広めていく者に対しては、様々な迫害が加えられることが、法華経に説かれている。末法の法華経弘通には大難が必然的に起こるということ。
日蓮大聖人は、法華経の経文どおりの大難を受けて法華経を弘通した。法華経を身をもって読み証明された御自身を、末法の「法華経の行者」と仰せになっている。
法華経に説かれる迫害は以下のとおり。
猶多怨嫉・況滅度後
「如来現在猶多怨嫉。況滅度後(にょらいげんざいゆたおんしつきょうめつどご)」と、法華経法師品第10にある。
意味は、『法華経を説く時には釈尊がいる時代であっても、なお怨嫉(反発・敵対)が多い。まして。滅後の時代となれば、釈尊の時代以上の怨嫉がある』ということ。
末法にあってこの経文どおりに釈尊の時代以上の激しい難を受けたのは日蓮大聖人お一人のみである。
六難九易
「六難九易(ろくなんくい)」とは、法華経見宝塔品第11に説かれる経文。
滅後末法において、法華経を説き、書き、読み、一人のために説き、意義を問い、受持することを、6つの困難なこととし、これに対して、現実には実現困難な9つのことを9つの易しいこととしている。
現実の上で、迫害や反発が必ず起こるが故に、法華経を広めることは困難であるということ。
三類の強敵
「三類の強敵(さんるいのごうてき)」は法華経勧持品第13に説かれている経文で、悪世末法の時代に法華経を広める者には、三種類の強烈な迫害者が出現するということ。
- 俗衆増上慢(ぞくしゅぞうじょうまん):迫害する法華経に無知な衆生。
- 道門増上慢(どうもんぞうじょうまん):迫害する出家者(僧侶)。
- 僭聖増上慢(せんしょうぞうじょうまん):迫害する世間的に尊敬されている者。
日蓮大聖人ご在世当時の「極楽寺良観(ごくらくじりょうかん)」は僭聖増上慢。良観の讒言が、竜の口の法難・佐渡流罪につながった。
勧持品第13には、二十行の偈で「数数見擯出(さくさくけんひんずい:何度も所を追われるという意味)」が説かれており、日蓮大聖人は、伊豆流罪と佐渡流罪がこれにあたると仰せ。
日蓮大聖人が法華経を身をもって読まれたことで、法華経の釈尊の言葉の真実が証明された。法華経はまた、末法における大聖人の出現の予言書といえる。
「末法の法華経の行者」についての練習問題
【問1】法華経の経文どおりの大難を受けて法華経を弘通し、法華経を身をもって読み証明された日蓮大聖人は、御自身を何と仰せになっているか?
【問2】「如来現在猶多怨嫉。況滅度後」の文は法華経の何と言う「品」に説かれているか?
【問3】「六難九易」は法華経の何と言う「品」に説かれているか?
【問4】滅後末法において法華経を広めることが困難である理由は何か?
【問5】「三類の強敵」について説かれているのは、法華経の何と言う「品」か?
【問6】日蓮大聖人を迫害した「極楽寺良観」は、三類の強敵の中の何という増上慢か?
【問7】日蓮大聖人は、勧持品第13の二十行の偈で説かれる「数数見擯出」の文を、御自身の2つの難にあたると仰せ。2つの難とは何か?
<練習問題の解答>
問1:末法の法華経の行者
問2:法華経法師品第10
問3:法華経見宝塔品第11
問4:迫害や反発が必ず起こるから
問5:法華経勧持品第13
問6:僭聖増上慢(せんしょうぞうじょうまん)
問7:伊豆流罪と佐渡流罪