「悪を見抜き善を守る」は、青年教学3級試験(教学部初級試験)の出題範囲です。この記事では、極力わかり易く要点をまとめると共に、文末に同出題範囲の練習問題と解答を掲載しています。
目次
善智識(ぜんちしき)と悪知識(あくちしき)
- 善智識とは正しく仏道に導いてくれる師匠や励ましてくれる同志のこと。
- 悪知識とは、仏道修行を妨げ、迷わせ悪道に導く者のこと。
- 「知識」とは、友人や知人を意味する。
日蓮大聖人は次のように「善智識」は不可欠であると仰せ。
「されば仏になるみちは善知識にはすぎず、わが智慧なににかせん、ただあつきつめたきばかりの智慧だにも候ならば善知識たいせちなり(三三蔵祈雨事:御書1,468ページ)」
悪知識は心を破壊(するので恐ろしい)
涅槃経の文に「『凶暴な悪象に殺されたとしてもなんら恐れることはない』。なぜなら自身の肉体が破壊されても心は破壊されていないから三悪道に堕ちることはけしてない。『しかし悪知識によって心が破壊されたら、必ず三悪道に堕ちる因を作ったことになる』。(主意)」、とある。悪知識は心を破壊するので恐ろしい。
悪知識を善智識に変える信心
「釈迦如来の御ためには提婆達多こそ第一の善知識なれ、今の世間を見るに人をよくなすものはかたうどよりも強敵が人をば・よくなしけるなり(種種御振舞御書:御書917ページ)」、と大聖人は、仏道修行の妨げとなる悪知識をも自身の成仏の機縁とする強盛な信心に立つべきことを教えられている。
謗法厳誡(ほうぼうげんかい)と随方毘尼(ずいほうびに)
謗法とは:「誹謗正法(ひぼうしょうほう)」、つまり正法を誹謗(悪口を言う・謗る)すること。
正法とは仏が覚った真実であり万人成仏の法である。万人成仏とは万人が仏界を具え、無限の可能性があると説く尊極の生命観である。この正法への不信・反発は「不幸の根源」であるので厳しく戒める。これが【謗法厳誡(ほうぼうげんかい)】である。
謗法厳誡の実践の肝要
謗法厳誡の具体的実践について【◆:重要】。
◆”慈悲の折伏”の実践こそ謗法厳誡の要(かなめ)である。
◆このことを大聖人は「謗法を責めずして成仏を願はば火の中に水を求め水の中に火を尋ぬるが如くなるべしはかなし・はかなし(曾谷殿御返事:御書1,056ページ)」、と仰せである。
随方毘尼(ずいほうびに)
世界宗教である「日蓮仏法」は文化の多様性を認めて最大限に尊重する【◆:重要】。
◆「仏法の根本法理にたがわない限りにおいて、各国・各地域の風俗・習慣・時代風習を尊重して随うべき」とする教えを【随方毘尼(ずいほうびに)】と言う。
◆大聖人は随方毘尼について、「此の戒の心はいたう事かけざる事をば少少仏教にたがふとも其の国の風俗に違うべからざるよし仏一つの戒を説き給へり(月水御書:御書1,202ページ)」、と仰せである。
▲要点まとめは以上▲
「悪を見抜き善を守る」の練習問題
【問1】正しく仏道に導いてくれる師匠や励ましてくれる同志のことを仏法用語で何というか?
【問2】仏道修行を妨げ・迷わせ悪道に導く者のことを仏法用語で何というか?
【問3】「されば仏になるみちは[A]にはすぎず、わが智慧なににかせん、ただあつきつめたきばかりの智慧だにも候ならば[A]たいせちなり(三三蔵祈雨事:御書1,468ページ)」、の御文の[A]に入る「同じ言葉」は何か(漢字3文字)?
【問4】涅槃経の文に「『凶暴な悪象に殺されても恐れることはない』。なぜなら肉体が破壊されても[A]は破壊されないから[B]に堕ちることはけしてない。『しかし悪知識によって[A]が破壊されたら、必ず[B]に堕ちる因を作ったことになる』(主意)」、の文のそれぞれ[A]と[B]に入ることばは何か(A:1文字、B:3文字)?
【問5】「『釈迦如来の御ためには提婆達多こそ第一の善知識なれ、今の世間を見るに人をよくなすものはかたうどよりも強敵が人をば・よくなしけるなり(種種御振舞御書:御書917ページ)』、との大聖人の仰せは、仏道修行の妨げとなる[A]をも自身の成仏の機縁として[B]に変える強盛な信心に立つべきことを教えられている」、の文のそれぞれ[A]と[B]に入ることばは何か(A・B共に3文字)?
【問6】「[ ]を責めずして成仏を願はば火の中に水を求め水の中に火を尋ぬるが如くなるべしはかなし・はかなし(曾谷殿御返事:御書1,056ページ)」、の御文の[ ]に入る言葉は何か(漢字2文字)?
【問7】「此の戒の心はいたう事かけざる事をば少少仏教にたがふとも其の国の風俗に違うべからざるよし仏一つの戒を説き給へり(月水御書:御書1,202ページ)、の御文は何と言う法門について述べられたものか(漢字4文字)?
<練習問題の解答>
問1:善智識(ぜんちしき)
問2:悪知識(あくちしき)
問3:善知識
問4:A=心、B=三悪道
問5:A=悪知識、B=善智識
問6:謗法
問7:随方毘尼(ずいほうびに)