出題される阿仏房御書の本文
『末法に入つて法華経を持つ男女の・すがたより外には宝塔なきなり、若し然れば貴賤上下をえらばず南無妙法蓮華経と・となうるものは我が身宝塔にして我が身又多宝如来なり、妙法蓮華経より外に宝塔なきなり、法華経の題目・宝塔なり宝塔又南無妙法蓮華経なり(御書1304ページより)』
通解
末法に入って、法華経を持つ男女の姿よりほかには宝塔はないのである。もしそうであれば、身分の貴さや賤しさ、立場の上と下は関係なく、南無妙法蓮華経と唱える人は、その人自身が宝塔であり、また、その人自身が多宝如来なのである。妙法蓮華経よりほかに宝塔はないのである。法華経の題目は宝塔であり、宝塔はまた南無妙法蓮華経なのである。
阿仏房御書 ご執筆の状況
阿仏房御書は、佐渡の門下である阿仏房に与えられたお手紙です。日蓮大聖人が佐渡流罪のおり、阿仏房は妻の千日尼と共に、佐渡の地で門下となって、大聖人を命懸けでお守りしたのです。その後、大聖人が身延の地に入山されてからも、はるばる佐渡の地から師匠・大聖人のもとを幾度も訪れています。
阿仏房御書の要点
法華経見宝塔品第11では、突然、金・銀などの七宝で飾られた巨大な宝塔が出現して空中に浮かびます。大聖人は、この宝塔こそ、「法華経を持つ男女の すがた」であると仰せです。これはつまり、御本尊を信じて自身の宿命転換のために、人々の幸福のために、現実社会で戦う私たち一人一人のことなのです。「貴賤上下をえらばず」とあるように、身分や地位など関係なく、南無妙法蓮華経を唱える人は、「我が身」が「宝塔」であり、「多宝如来」なのです。
「妙法蓮華経より外に宝塔なきなり」と示されています。法華経に説かれる宝塔とは、あらゆる功徳を納めている南無妙法蓮華経を現したものなのです。
阿仏房御書のキーワードは宝塔。
宝塔とは何か?「法華経を持つ男女の すがた」・「貴賤上下をえらばず」とあり、現実社会の中で題目を唱えて戦う学会員の姿こそが最高に尊い宝塔そのものなのです。
▲任用試験の「阿仏房御書」は以上を覚えれば合格!▲
宝塔(ほうとう)とは
法華経の見宝塔品第11で出現し、嘱累品第22まで虚空に在ったと説かれる多宝如来の塔のこと。高さ500由旬で、金、銀、瑠璃などの七宝で飾られていた。この塔の内に釈迦・多宝の二仏が並んで座り、聴衆も空中に浮かんで、虚空会の儀式が展開された。
関連する池田先生の指導
大宇宙の天体が運行しゆく根源の力が、南無妙法蓮華経である。どれほど、すごい力であるか。我らは、この偉大なる妙法を持っている。最も正しく、最も力強い妙法の音律を唱えている。これほど強いものはないのだ。絶対勝利の唱題である。負けるわけがない。(新時代第36回本部幹部会での池田名誉会長のスピーチ[聖教新聞2010年1月19日]より)